やまなしサポステから社会へ羽ばたいていった利用者の方との対談記録です。
【Hさん】
年齢:36歳(2017年当時)
性別:男性
引きこもり年数:約5年
学歴:大卒
再就職先:小売業(正規雇用)
サポステ利用のきっかけは何ですか?
ハローワークさんからの紹介できました。年齢も若く家からも近いので利用してみてはどうか、と言われました。
サポステに来てみてどうでしたか?
始めはそんなに深くかかわるつもりじゃなかったんですが、Iさんから集中訓練プログラムを勧められて、その流れで利用することになりました。
サポステに通った理由は?
まず、自分と同じ境遇の人たちがいて、就職に向けて頑張っているのをみて自分は一人じゃないって思えたところと、あと、スタッフさんたちが優しくて、居心地がよかったところ、ですかね?
居心地が良かったところって?
初日に、一緒にお昼ご飯を買いに行ってくれた先輩利用者に、「不安なんですよ」って気持ちを吐露したら、「みんな不安だよ~」って言ってくださって、話もよく聞いて切れたんですよね。(他の利用者のみんなと)共感ですかね、共感できたことが大きかったかな。昼休みにみんなと会話することが楽しくて、居心地がよかったですね。
初日で初めて会った人との人間関係については?
結構勇気を出して話をしました。自分の場合、打ち解けるまでの時間はあまりいらない人なので、楽しめるなら早く打ち解けて、かかわっていきたいと思っていたので、勇気を出して話しかけたら、いい反応が返ってきたので嬉しかったです。受け止めてくれたと感じました。
メンバーについてはどうだった?
良いメンバーでしたね。みんな楽しい人たちで、みんなから「H君(本人)が入ってくれて良かった」とか言われて、すごくうれしかったですね。就職が決まった時「H君ロスになる」って言われたこともうれしかったです(笑)
サポステ利用してどう思いましたか?
まず不安な人に来てほしいと思いましたし、仕事をかえることはみんな大変で不安なことが多いと思うんですけど、不安な人ほど来てほしいと思いました。ここ(サポステ)へ来ることも勇気いることだと思うんですが、一歩踏み出してほしいなあ、自分の感想としては楽しかったですし、納得できる就活が自分的にできたのでとても良かったです。
楽しかったところって?
ほんとに、コミュニケーションワークもそうですし、集中訓練プログラムの合宿もそうだったんですけど、自分は人と関わることが好きなので、話す機会がたくさんあって、そういうところは楽しかったですね。ほんとに、楽しんだ感じで過ごしたので、スタッフさんたちも明るい方ばかりで、良かったです。
就職決まって、母親にサポステのことを詳しく話したら「もっとお堅いところだと思ってた」って言われました(笑)
でも、そんな和気あいあいとしたところもありながら、面接練習やホンキの就職(就活プログラム)とか、まじめな雰囲気もあって(笑)とても就活に役立ちました。時には厳しい言葉をもらったこともありました(笑)
適当に企業を決めて就職を始めた時、仲の良い利用者から「正直、H君にはそこの会社、向いてないよ」って言われたことがあって、みんなで助け合って就活できたことが大きかったです。自分が見えてないところを見てくれていた感じです。
納得して就職活動って意味は?
就職先を自分でも明確に持っていたわけじゃないんですけど、自分が公務員志望だったのは、「山梨に貢献したい」ってことだったんですけど、キャリコンIさんから「山梨に貢献する仕事って、公務員だけかな?」って言われたとき、それについて考えた時に「スーパー」っていうより県民の生活に密着しているんじゃないかなっていう、発想の転換がでたんですよ、ていうところはとても大きかった、納得できたんですよ。確かにこれも県民の生活に密着して大切なことだし、公共性もあるんじゃないかなって、今までなかった視点を新しく見えるようにしてくれて、それが納得できる就活だったかな、と。
そのあと、キャリコンIさんも「土日休みじゃないけど大丈夫?」とかいろいろ言ってくれて、でも、耳障りの言いことしか言わない支援者もいるじゃないですか、何ていうのかな…、マイナスのほうをちゃんと言ってくれたんで、あえて色々考えられたなぁ、って、思いました。(これから就職する先のいいとこ悪いところも含めて。)
集中訓練プログラムに参加してみて、どうでしたか?
合宿が良かったですね。合宿に向けていろいろと自分たちで準備することもよかったんですが、合宿本番で色々トラブルがあったじゃないですか、それにみんなで一緒に取り組めたこととか、とても良かったです。いろいろ乗り越えたことで、みんなほんとの意味で仲良くなれたんだなー、って、ほかの参加者とも話してました。
個人的には、ぐんないサポステの人たちと一緒に合宿ができたことが勉強になったと思います。いろいろな方がいますので、人とのやり取りが本当にいい経験になりました。
企業ガイダンスにいってみて、どうでしたか?
1回目のガイダンスは、行かされた感じがあったんですけど(笑)、でも参加してみて、山梨にもたくさんの企業があることを知れましたし、それまで、有名な企業しか知らなかったんですけど、行ってみて、製造業が多いんだな、とか、こういう業種もあるんだな、ってことが知れてとても新鮮でした。単純に面白かったですね(笑)
2回目は、応募してみたい企業があったので、単純に行って良かったです。
企業ガイダンスはいかないともったいないです。せっかくこうやって、(ガイダンスに)来ているんだから何かやらないともったいないというか、何かやろうって。せっかくチャンスが転がっているんだから、行ってみたほうがいいと思います。スーツ着たくないとか、いろいろあるとは思うんですけど(笑)
僕がいけたのは、周りの人と一緒にいけたんで、行けたと思います。一緒に話を聞いたり、なれ合いじゃないですけど、一緒に頑張る、みたいな、が、あったんで。チャンスと思って、ぜひ行ってほしいです。面白いです!
職場体験については?
最初は正直、福祉に行ったんですけど、いろいろ心配していたんですけど、行ってみないとわからないですね。とてもいいところでした。職員の方もとてもいい人で、自分の個人的な話も聞いてくれたりして・・・、楽しかったですね。やっぱり、食わず嫌いは良くないよ、経験は裏切らない、ですね、ほんとに。自分は歴史学を学んできてわかっていたことだったんですけど、百聞は一見に如かずですね。全然自分が興味ない分野だとしても、行って働いてみるといいと思います。ハードルが高いとは思いますけど。
行ってみて知れたことは、それで一歩ですし、やるやらないより、経験ですね。同じ利用者のIは、結局職場体験がきっかけで、今の仕事を選んだわけですし。
グループワークはどうでしたか?
これはとてもいい試みだなと思いました。普段あまり話さない人も、結構グループワークの時は積極的にしゃべってくれるんですよ、なぜかわからないんですけど(笑)普段はあまり話さないけど、グループワークの時は積極的に話したりね、すごいなと。(グループワークは)その人のことに良く知れるんですよ、で、それが休み時間の話すきっかけになったりして。仲良くなったりしたこともあったので、とてもいい試みだと思いました。
結構自分も、ほかの人に話を振る練習になったりしたんで、自分から話すのは難しいですけど、結構、皆さん振ると饒舌なので、話すのは楽しかったです。話せる人は話すネタ振りをする練習だったり、話すことが苦手な人は自分から話せるようになるための練習でもいいですし、両方できるっていう・・・とても楽しかったです(笑)
ホンキの就職について
面接練習がとてもためになりました。キャリコンIさんからとても厳しい言葉をいただきまして、でも「H君ならできる」って。動機が弱いよ、とか、どういったことを書けばいいのか、とか、結局今、決まった企業の就活にも活きました。キャリコンIさんの影響は大きかったです(笑)ほんとにそれが一番で、あと、有効求人倍率とか、気にして求人していなかったんで、必要だな、と思いました。自分が言われて一番ためになったのは「H君は最終面接まで行くのに落ちちゃうのは、熱意が足りないからじゃないの?」っていわれて、「いい事を言おうとして薄っぺらくなってるんじゃないの」っていわれて、思い当たるふしがあって、それからは本音を言おうって思って、この間の面接は「思ったことを正直に言おう」と思って言ったら、面接官から「ちゃんと答えてくれて好感が持てます」って言ってもらえて、うれしかったです。今までは、いいこと言おうと思って薄い事しか言えてなかったんで。自分の思いを言えたら伝わって。
・・・すごい大変でしたね。求人票を持ってきてくださいって言われても、何もって言っていいかわかんなくて。JR東日本の求人を持っていったら怒られまして(笑)でも、就活には効果があると思いました。
これから利用を考えている人たちに向けて一言。
これまでの繰り返しになっちゃうんですけど、まずは来てほしいなと思いました。来ることに対して勇気がいることだと思うんですけど、一人で家で不安になっているマイナスの感情をぐるぐるしているよりは、まず来てほしいなと思いますね。来てくれれば、同じ境遇の方もいるということで安心もできますし、スタッフさんもすごく親しみやすく話しかけてくれるんで、サポートしてくれますんで、(サポステへ)来る勇気を持ってほしいですね。来た最初はゲロるくらい緊張しますけど、動けば変わります、教訓です、私の。動かないで、世間一般がどうのとか、山梨がどうとか、言うんですけど、文句を言う前にまずは動きましょう!と、言うことですね。ここで思いました。風林火山の、動かざる、ではなく、動きましょう。何か行動する勇気がすごく必要なんだなとも思いました。
最後に一言!
自分も、結構不安だったんですけど、ほんとに、来れば、変わりますよ!ほんとそんな感じのことですかね。
不安になっている時間がもったいないので。はい(笑)とても思いました。待ってても何も来ないので。家で閉じこもっていて、今日もダメだったな、と思う時間があるんだったら、(サポステに)来ましょう(笑)
Hさん、インタビュー、ありがとうございました!
【Nさん】
年齢:36歳(2017年当時)
性別:男性
引きこもり年数:約5年
前職:製造業
再就職先:製造業(正規雇用)
サポステ利用のきっかけは何ですか?
就職しようと思ってハローワーク甲府に相談に行きました。ほんとは、お金が無くなって、引きこもっていられなくなったんですねどね(笑)
ハローワークの人に、引きこもっていた時のことを聞かれて「何もせずにじっと5年間引きこもっていた」と言ったら驚かれた。ハローワークの人に、やまなしサポステの紹介をされて、その日、たまたまハローワーク甲府に出張相談が来ていたので、思い切って相談に行きました。
やまなしサポステの印象はどうでしたか?
相談するまでは不安がありましたが、話してみると必要以上に優しくて(笑)日を改めてやまなしサポステの事務所に行ったら、そしたらみんな一人残らず必要以上に優しい(笑)それまで5年引きこもっていて、自分が真っ白になっていて、どうしていいか考えることもできなくて。でも、やまなしサポステのスタッフさんと話していくうちに、自分がどんな人間で、今どんな状態かを思い出すことができました。気持ちが軽くなりました。誰にも相談できなかったから。ありがたかった。
やまなしサポステを利用して思ったことは何ですか?
サポステのスタッフさんといろいろ話せたことが良かった。くだらない話や冗談とか。まじめな話より、世間話が多かったかな(笑)でも、それが良かったと思う。自分は引きこもっていた時にゲームやインターネット、TVなど何も興味がなかったので、引きこもっていた5年間に時代が進んでいて、スマホがどんなものかも知らなかったから、そういうこととか教えてもらった。昔の事とか話していくうちに、「あーそいうえば、自分はこんなことやってたな」とか、「こんなことに興味あったな」、とか思い出して、自分を取り戻せた感じ。やまなしサポステに初めに来たときは、自分の年齢さえ忘れていたくらいだったから(笑)いきなり堅い話じゃなくて、自分の様子を見ながら不安を取り除いてくれたことがうれしかった。
やまなしサポステを利用してよかったことは何ですか?
失敗しても、やり直せると思わせてくれた。それほど自信がついた。失敗が怖くなくなった。不安がゼロになることはない、みんな不安は持っていると思うけど、不安を持ったままでも進むことができるようにスタッフさんがサポートしてくれること。
自分の言葉で言うと「自信タンク」を満タンにしてくれて、進むことができるようにしてくれた。(自分自身では、自信を持つことを意識する、自分を認める、ほめる、をしっかりやった)最初は褒められても受け止められなかったけど、スタッフさんが真剣に褒めてくれるので、今は素直に受け止められるようになった。
それと、いろいろと成長できた、学べた、自分探しができた。無理しないでも元気が出るようになった。とにかく褒めてもらったことが嬉しかった。
集中訓練プログラムについてはどうでしたか?
改めて社会に出ていくために必要なことをやってくれる。自分にとっては学び直しができたと思う。社会を学べる場だった。合宿は特によかった。アソビの中でみんなで助け合ってチームで協力することが学べた。いろいろな人の動きを見て、考えを見て学び、体力づくりにもなった。自分は5年間引きこもっていたので急に外へ出ると大変だった(笑)
就職してからはなかなかできない経験だと思う、夜みんなでハイキングしたり(笑)あと、主体性を持って行動することを経験するいいきっかけだった。
就職ガイダンスの動向はどうでしたか?
就職ガイダンスへ行くことを考えたこともなかったので、いいきっかけになった。一緒に来てくれるのは安心感があってありがたい。仲間といっしょに行けたことも安心感につながった。やまなしサポステのスタッフがその場で相談に乗ってくれたのはよかった。企業に説明を聞きに行く背中を押してくれたことは不安が大きかったけど、ありがたかったかな!?就職ガイダンスでは、企業の人と話して、企業の印象が変わった。自分の耳で聞いて、目で見ることで納得感もあった。資格や年齢制限がある企業でも、直接聞いてみたら違う場合もあって可能性が広がったと思った。
職場体験プログラムはどうでしたか?
めちゃ良かった!自分が仕事ができるかどうかの確認ができた。自信につながった。職場体験先の配慮もすごく良くて、不安なく無理をさせないし。達成感も高かった。最初はものすごく不安もあったけど、体験先のスタッフの皆さんの配慮が良くてすぐ安心できた。毎日通うことが楽しかった。体験が始まったときは何をしていいかわからなかったけど、いろいろと指示をしてくれて道を示してくれたことが良かった。
いろんな人の話が聞けた。自分とと似てたり、(ほかの人の)不安だったりを聞けたりして、一人じゃない、という気持ちになった。
やまなしサポステに求めることは?
(自分は十分やってもらったけど)自分と一緒にやまなしサポステを利用していた人たちは、もっと手のかかる人も多いので、手厚くケアしてほしいなと。自分で言えない人もいるので。
自分はパソコンが苦手で、ネットやワードとエクセルの操作を教えてもらって少しできるようになってうれしかったけど、もう少しやりたかった。
これから利用を考えている人に一言
とにかくここ(やまなしサポステ)へ何も考えずに来てほしい。不安もなくなるし、絶対に変われる。何の準備もいらない。一歩出るのは怖いけど、まずはここ(やまなしサポステ)にきてスタッフさんと話をしてみてほしい。
自分はブラック企業で気持ちを折られて5年間引きこもったけど、そういう人には、やまなしサポステをぜひ利用してほしい。いきなり就職するより、サポステでいろいろ気付きを得てから就職活動したほうがいい結果が出ると思う。
最後に一言
やまなしサポステに出会えてよかった。自分を改めて知ることができたし、自分を取り戻せた。ここへ来なくても就職はできたかもしれないが、同じ失敗を繰り返していたかもしれない。本当にここに来てよかった。ありがとうございました。
卒業された利用者からお礼状をいただきました!
【Kさん】
やまなし若者サポートステーション 今津様
返送がおそくなり申し訳ありません!!
今年は失業、職業訓練、就職、と、バタバタですが、現在、たいへん充実しています。この製造業へのきっかけをつくってくれたのは、サポステです。大きなはげましと適性診断などが自信を与えてくれました。どうもありがとうございました。
今月は、フォークリフトの講習をうけ、また、会社も転換期のため、いろんな勉強をして、毎日、頭も体もフル回転です。就職までの期間は、いろんな方と話をしたり、情報収集したり、・・・本当に必要な時間だったな、と感じています。連絡を怠っていたのに長くサポートをいただき感謝しています!!ありがとうございました。