職業人基礎力講座で実施したグループ課題についてご報告します。
●課題の目的
社会人基礎力講座で学んだ「主体性」「働きかけ力」を実践し、協力し合いながら一つ一つの目標をクリアし目的を達成する。
●課題内容
参加者全員による紙を材料とした模型の制作。
●課題詳細
・全員で役割分担を考え分担し、一人ひとり必ず役を担当する。
・全員で意見を出し合い、まとめたうえで作業を行う。
・簡単な全体像が分かる図面、またはイラスト等を準備する。
・制作物の材料は紙のみ。コピー用紙、厚紙が使用できる。
・切る、切断などの道具はハサミ、カッター、接着はノリを使用すること。
・サイズは指定された用紙の大きさ、縦のサイズは25cm以内。
・着色はしない。(黒マジックペンでの線や文字の記入はOK)
・新規参加者・不参加者がいる場合でも作業ができるよう配慮する。
・与えられた時間をフル活用し品質を高めるよう努力する。
●制作期間と納期
制作予定日:平成30年2月1,6,13,15,20日の全5回
納期:2月20日(火曜日)12:00まで
●作品発表
ホームページによる制作経過と作品発表および、やまなしサポステ内での展示。
●課題対応の様子
参加者は、延べ10名(女性1名、男性9名)で行われました。
課題の取り組みは、まず役割配分の話し合いからスタートになりました。リーダーは2名、これまで参加経験が長い男性二人がリードに立候補してくれました。この時点の雰囲気はお互いの様子を見ながら自分のポジションを探っていく様子が見て取れました。各自あまり発言はありませんでした。
次にどんな模型を作るかの話し合いが行われ、一人ひとり発言をする中で、家、船、車などの意見が出ました。メンバーの中にはプラモデル作りを趣味にしている人もおり、自分の作った過去の作品(フレームアームズ、駆逐艦など)をスマホの写真で公開する人もいたり、細かな作業が苦手ということをアピールする人や集中力がに関する話題が出ました。作成する題材が決まらないまま静かに時が流れた場面もあったのですが、メンバーひとりが発言した「建物」というキーワードから「サポステの建物を作る」という結論に至りました。
作成目標ができ各自作業に入りましたが、全体的な完成図が決まらないまま、やまなしサポステの図面をもとに各自が思い思いに作業を進めていったように見受けれらました。
会話は徐々に増え、最終的にはお互いに作成物の様子や周りの状況を確認しながら作業を行っていました。
途中、建物の外壁の縮尺と内装のバランスが合わないということで、思いを主張しあう場面がありましたが、それぞれの意見を尊重し解決をしました。
●参加者による振返り
参加メンバー全員で課題の振り返りを行いました。以下、振返りででた意見について挙げました。
・主体性について
ある程度主体性をもってできたと思う。自分の意見を聞いたり、何かできることはないかと聞いたりできた。もう少し積極的に意見を言えればよかったと思う。
・働きかけ力について
途中まではリーダーや特定の人しか話をしていなかったので、一人ひとり考えが違って意見があるはずなので、それをちゃんを言ってもらうことができた。
・役割配分について
一人ひとりが自身のすべきことができていたと思う。自分はもう少し手伝えるところがあったんじゃないかなと考えた。
・チームプレイについて
お互いに遠慮があって、チームとしてはあまり動けなかった。チームプレイは、よくわからなかった。そもそもチームにはいったい何が必要なのか、どのようなものなのかがよく分かっていない。理想とするチームの像が何かが分からない中でのチームプレイと言うのがあるように思える。
・計画について
サポステの建物を作るという案は何となく決まってしまった感があり、元の案を作る段階にでもっと意見を交わせばよかった。
・時間管理について
最初からあまり頭になかったように思える。タイムキーパーが必要。かなりギリギリのところではあった。
・個人作業について
皆に相談せずに勝手にやってしまった部分もあるので反省したい。
・モノ作りについて
図面のあるなしは大事である。具体的なイメージの共有が必要であった。形のある物なのでより具体化するのは大事ではある。
・今回の課題で学んだことは何ですか
皆で協力するということ。協力して一つの何かを成し遂げる。事前の準備や話し合い、計画はとても大事だと思った。
・今回の良かった点を5つ挙げてください(理由も含めて)
一人ひとりが何かしらの作業をしていた。
納期を守って完成させた点。
完成品が思ったより良い出来になった。
小物づくりがすごかった。
途中から新しいメンバーが入ったことで場が活性化した。
・今回の課題点を5つ挙げてください(理由も含めて)
方向転換はもっと柔軟にやっても良かった。
提案するときに人にわかりやすく伝えること。
どちらかというと、自分は指示待ちなのか。
相手との意思の疎通や共有が不十分だった。
途中からは違ったが、皆どこかリーダー、経験者任せな気がした。最後に慌ただしくなっってしまったので、時間をしっかり見る。
・今後の課題
与えられた課題があったら、まずは自分で考えてみて、グループなら一人ひとりが意見を出し合い話し合うことが一番大切だと思う。計画の部分がしっかりしていないと何も始まらないし、そこさえしっかりしていれば、あとは少しの修正や話し合いでできていくと思う。
・メンバーの話や意見を聞いた感想
互いが互いをサポートする関係というのは、今後、社会生活を行う上で大事なことであると思う。チームを作り、目標を達成することでは、独りよがりのの見方ではなく、多角的、開放的に意見を求めていくことは必要である。ただ、軸となる最終的な目標の形の像をチームで具体的に共有することは気力を引き出す意味でも大きく影響してくるのではないかと思う。
●総評
課題制作の「何を作るか」の方向性を決めるための話し合い、作業の話し合い、出来上がり図(品質設定)など、皆で話し合い決めていく場面での「働きかけ力」は不足していたと感じる。もっと話し合い(相互関係、会話)をすべきだし、一人ひとりの主張も必要であると感じた。
半面、全体的に見て、一人ひとりが一生懸命制作に取り組む姿勢は評価できた。また、サボる、手を抜くなどは見受けられず、正直に仕事をこなす姿は素晴らしいと感じた。
●作業風景および、作品紹介
参加した皆さん、お疲れさまでした!